【令和7年4月改正】宅建業者票様式の変更点とは?実務対応を解説
令和7年4月1日、宅地建物取引業法施行規則の改正に伴い宅建業者票の様式が大きく見直されました。
今回の改正では、専任宅建士の個人名が削除され、代わりに事務所の代表者名や体制を示す人数の記載が義務化されています。
旧様式のまま看板を掲示し続けると法令違反となるリスクもあるため、速やかな対応が必要です。本記事では、改正の背景から変更された3つのポイント、現場で取るべき実務対応まで分かりやすく解説します。
令和7年4月1日施行の宅建業者票の改正とは?
まず、宅地建物取引業法第50条(標識の掲示等)の規定を確認しましょう。
「宅地建物取引業者は、事務所及び前項の国土交通省令で定める場所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。」
なお、法律(第50条)そのものに変更はありません。今回の改正は、この標識の具体的な様式や記載項目を定めている「宅地建物取引業法施行規則」が改定されたことによるものです。掲示義務という法的根拠に基づき、より適切な様式へとルールがアップデートされたと理解しておきましょう。
ルールの根底にある法改正の目的を押さえることが、自社に必要な対応の第一歩です。まずは、今回の法改正の全体像と、なぜ看板の表示ルールが変わったのかという背景から解説します。
今回の法改正の法的背景
今回の改正の根拠は、デジタル化の流れに合わせて閲覧制度等を見直した、第14次地方分権一括法と、それに基づく宅地建物取引業法施行規則の改正です。
宅建業者標識の掲示内容にとどまらず、宅建業者名簿や従業者名簿を含めた表示・閲覧ルール全体が省令レベルで整理されました。事業者は見た目の変更ではなく法的な記載義務そのものが変わったと捉え、法令遵守のために正しく対応する必要があります。
なぜ改正する必要があったのか?
従来の「専任宅建士の氏名」は、個人が過度に特定されるプライバシー上の懸念がありました。今回の改正では個人名の開示を見直す一方、事業者側の実態を把握する上で重要な「事務所の代表者名」や「専任宅建士の人数」「従事者数」の表示を義務化しています。
これにより、個人のプライバシーに配慮しつつ、取引相手や購入者が事業者の規模や運営体制をひと目で正しく確認し、安心して業者を選べる環境を整える狙いがあります。
【一目でわかる】宅建業者票の主な3つの変更点
変更された項目を押さえることで、新様式へのスムーズな差し替えだけでなく、業務上の負担軽減にもつながります。旧様式から新様式へと変わった具体的な記載項目について、実務に大きく影響する3つの変更点を分かりやすく解説します。
変更点①:「専任の宅地建物取引士の氏名」の削除
これまで必須だった専任宅建士の個人名が掲示項目から完全に除外されました。個人のプライバシー保護はもちろんのこと、実務上では担当者の退職や異動が発生するたびに行っていた看板の修正・買い替えの手間やコストが大幅に軽減されるというメリットがあります。
変更点②:「事務所の代表者(政令使用人)の氏名」の追加
個人名に代わり、事務所の責任者を明確にするため代表者の氏名の記載が新しく追加されました。本店であれば代表取締役、支店や営業所であれば支店長や営業所長などの「政令で定める使用人」の氏名を正しく記載するルールへと変更されています。
変更点③:「専任宅建士の人数」および「従事者数」の追加
個人の氏名表記に代わり、その事務所の組織体制や規模を示す指標として、以下の2つの人数の明記が義務化されました。
この事務所に置かれる専任の宅地建物取引士の数
宅地建物取引業に従事する者の数
個人を出さない代わりに、事務所として十分な人員体制が整っているかを可視化する狙いがあります。
実務担当者が今すぐ行うべき4つの現場対応
単に看板を掛け替えるだけでなく、社内ルールの整備や関連書類の見直しまで一括で進めることがスムーズな移行の鍵となります。
ここでは法改正に伴い、宅建業者の実務担当者が現場で速やかに取り組むべき4つの具体的なアクションを解説します。
対応①:新様式への速やかに差し替える
令和7年4月1日以降は、新様式に基づく標識の掲示が義務付けられています。
「看板自体は掲示しているから大丈夫」と旧様式のまま放置するのは非常に危険です。記載項目に不備がある状態での掲示は指示処分の対象となり得るため、法令遵守の観点からも一刻も早い新様式への差し替えが必須となります。
対応②:法定サイズと設置場所を再確認する
業者票は「縦30cm以上×横35cm以上」という法定サイズと、受付など公衆の見やすい場所への設置が義務付けられています。なお、後日の法改正等でサイズの緩和が実施・予定されている場合でも、それは規定の緩和であり記載内容の変更ではないため、既存の規格サイズ(縦30cm×横35cm以上)で作られた看板をそのまま使用し続けても問題ありません。
対応③:関連書類「従業者名簿」の様式変更へ同時対応する
業者票の改正と同一タイミングで、事務所に備え付けが義務付けられている、従業者名簿の様式も変更されています。
店舗に掲げる看板(業者票)の差し替えだけで満足せず、社内で管理している法定帳簿や備え付け書類についても、最新の様式に適合しているか併せて確認・見直しを行いましょう。
対応④:人数の変動や代表者変更時の維持管理ルールを徹底する
新様式では「従事者数・専任宅建士の人数」や「事務所の代表者名」が必須項目となったため、人員の増減や支店長の交代時にどう対応するか社内ルールを定めておく必要があります。
人数変動時の書き換え頻度や看板の差し替え手順をあらかじめマニュアル化し、常に最新の正確な情報を掲示できる維持管理体制を整えておくことが重要です。
【新様式】記載例と間違えやすいポイント
新設された項目の記載漏れや不自然な修正は、会社の信頼性にも直結するため事前の確認が不可欠です。実際の掲示イメージと誤記を防ぐためのポイントを整理し、現場で迷わないための作成上の注意点を解説します。
宅建業者票(新様式)の記載イメージ・必要項目一覧
新様式の宅建業者票では、従来の記載項目に加えて代表者名や体制を示す人数が追加されています。具体的には以下の項目を正しく並べて記載します。
免許証番号(例:国土交通大臣(〇)第〇〇〇号)
免許有効期間
商号又は名称
代表者氏名(法人全体の代表者)
この事務所の代表者氏名(★新設:支店長などの政令使用人)
この事務所に置かれる専任の宅地建物取引士の数(★新設:〇名)
宅地建物取引業に従事する者の数(★新設:〇名)
主たる事務所の所在地・電話番号
特「事務所の代表者氏名や各人数の表記漏れ・誤記は旧様式とみなされるリスクがあるため、発注前の確認を徹底しましょう。
看板の信頼性と素材選び
人数や代表者に変更が生じた際、手書きやテプラで簡易的に修正することはおすすめできません。
つぎはぎのような見た目は管理が行き届いていない不動産会社という悪印象を与え、会社の信頼性を大きく損ねてしまいます。
人数の変更に対応できる「プレート差し替え式」を導入するか、アクリルや金属製などの耐久性に優れ、見た目にも美しい最新の看板へ作り直すのが賢い選択です。
まとめ
令和7年4月1日施行の法改正により、宅建業者票は個人のプライバシーに配慮しつつ、事務所の運営体制をわかりやすく示す新様式へと変わりました。
専任宅建士の個人名表記が削除され、代わりに事務所の代表者名や体制を示す人数の記載が義務化されています。
今回の見直しは単なる看板デザインの変更ではなく、省令に基づく法的な記載ルールの改定です。
旧様式のまま掲示を続けると指示処分などのコンプライアンスリスクが生じるため、同時改正された「従業者名簿」の確認と合わせて、一刻も早く新様式へ差し替える必要があります。
新様式に対応した高品質な看板を準備するなら、法定看板専門店のしるし堂にお任せください。改正内容に完全準拠したデザインでスピーディーにお届けし、初めての方でも安心して手配いただけます。
見やすく信頼感あふれる最新の標識を整え、万全の体制でお客さまをお迎えしましょう。

記事監修:片山正吾
■株式会社しるし堂(法定看板堂運営)代表取締役
堺商工会議所会員
■行政書士片山法務事務所/行政書士
日本行政書士連合会(登録番号第11332125号)
岡山県行政書士会(会員番号第2089号)
出入国在留管理局申請取次行政書士(行-202025200028)
中小企業庁認定経営革新等支援機関(ID:107633000814)
■片山不動産事務所/宅地建物取引士
岡山県知事免許(第005976号)
公益社団法人全国宅地建物取引業協会
公益社団法人岡山県宅地建物取引業協会
行政書士としての専門知識を活かし、各種法令に準拠した高品質な法定看板の製造・販売を行う。「日本全国を法定看板堂の看板で埋めつくす」を目標に、企業の信頼を支える看板づくりと法務サポートを展開中。
運営サイト:法定看板堂